イギリスのL. F. Richardsonはまだコンピュータのない1920年頃,気象予報を手計算によって行おうと試みた.彼は6時間後の気象状態を一ヶ月以上かけて行ったが,非現実的な結果しか得られず,失敗した.しかし,彼はこの計算からホールに6万4千人を集めて計算すれば計算の高速化が可能で,事前に気象予報ができると自著に記した.その後,コンピュータと計算力法の進歩で,今毎日の気象予報はコンピュータの求めた天気図を元に行われている.このことは二つの教訓を与えてくれる.計算する人(あるいはコンビュータ)を増やすことで高速化が可能.(このため,Richardsonは並列計算の元祖といわれている.)もう一つ,当時無謀と思われた.試みも時代が来れば日常的なものとなるかもしれないということ.
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