収束電子回折(Convergent-beam electron diffraction:CBED)法は,透過型電子顕微鏡(Transmission electron microscope:TEM)を用いてナノメーターサイズに収束した電子線を試料に照射して電子回折図形を得る方法です.通常の電子回折図形とCBED図形の比較をSrTiO_3を例として図1に示します.通常の電子回折では平行な電子線を照射してスポット状の回折波が並ぶ回折図形を得るのに対して,CBEDでは電子線の収束角に対応して各回折渡がディスク状に拡がり,ディスク中には複雑な強度分布が見られます.これは電子回折の強い多重散乱(動力学回折)効果によるもので,この効果を通してCBED図形には結晶の対称性が直接反映されています.実際,CBED法は最も強力な結晶点群·空間群決走法として用いられています.
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