筆者たちは,これまで周琵琶湖の花崗岩類の調査·研究を行うなかで,とくにその中の長石塀の固相下(サブソリダス)熱水反応について言及してきた(中野ら,1991;Nakano,1998;Nakano et al.,2001;河野ら,2008;Nakano and Makino,2010;中野,2013)。今回,比叡山の北方に隣り合って座する2つの白亜紀花崗岩質岩体(仰木花崗関線岩体·大原トーナル岩体)について,それらを構成する主要な鉱物の化学組成や微細組織の特徴を解析した。その結果に基づいて,マグマ期(メルト期)から熱水期にわたる仰木岩体·大原岩体中の各鉱物の挙動を,長石煩および苦鉄質鉱物にわたって検討したので報告する。
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