この度，貴重な誌面を割いて，平賀源内を紹介する機会を与えていただきましたことを，深く感謝申し上げます．TED（Technology Entertainment Design）では「アイデアこそが世界を変える」「人間は皆，創造性を持っている」と言います．今回は，平賀源内をアイデア·発想という切り口で,その生涯を辿ってみます．11才の時の作と言われる掛軸「御神酒天神」が平賀源内記念館に展示されています（図1）．顔の部分を透明にして背後に肌色と赤色を上下に塗った紙をスライドさせて，天神さんがお酒を飲んで赤くなった，という仕掛けの掛軸です．少年時から色々なカラクリや工夫をして人を驚かせていたので「天狗小僧」と呼ばれていました．絵は狩野派？掛軸の表装など，カラクリ以上に巧みな才にも驚かされます．
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