［表皮の変化］表皮真皮境界型

谷川瑛子

摘要

炎症性皮膚疾患は100以上存在し,診断の精度を期待して病理組織学的にいくつかのパターン分類がされている.表皮真皮境界型変化interface derma-titisは,その代表格といえる.interface dermatitis は表皮真皮接合部に空胞形成vacuolar change/液状変性liquefaction degenerationと個細胞壊死により生じる壊死性ケラチノサイトnecrotic kératinocyte を特徴とする炎症性反応様式の一つであり,液状変性により基底膜が壊され,表皮内のメラニンが真皮に滴落する像(melanin incontinence)も特徴である.interface dermatitis については,Ackermanが血管周囲性に比較的軽度な炎症性細胞浸潤を伴うvacuolar interface dermatitis (vacuolar type)と,真皮内で炎症性細胞浸潤が高度かつ帯状に広がる所見を呈するlichenoid interface dermatitis (lichenoid type)とに分けたのに対し,Weedonの組織分類では,両者を含めてlichenoid reaction patternとしている.表1に,生検で得られた病理組織所見でinterface dermatitisを呈する代表的疾患を示した.本稿では臨床的に頻度の高い多形紅斑,扁平苔癬,エリテマトーデス,皮膚筋炎,移植片対宿主病graft versus host disease (GVHD)について,それぞれの臨床像,病理組織所見,類似病変を生じる疾患との鑑別点(表2)を挙げながら,臨床像と病理所見について解説する.なお,本稿では実臨床で経験する教科書的な典型例以外の症例も含まれていることをご容赦いただきたい.

［表皮の変化］表皮真皮境界型

摘要

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