付加体の堆積物中にはしばしばFeとMnに富んだ堆積物が伴われ(Sato and Kase,1996),これらを原岩とする変成岩中にMnに富んだ鉱物組み合わせが見られることがある(例えば,Muir Wood,1980;Griffin and Mottana,1982)。 三波川変成岩類中からも,同様の例が報告されており(Hashimoto et al., 1990;Banno,1997),多くの場合それらは珪質片岩に伴っていて,中には形状·組成等からマンガン団塊に由来すると判断されたものもある(沢村·桃井,1986;Hirajima,1989)。 しかし,これらの変成岩類についての記載は十分でなく,変成度との関係などはよく判っていない(橋本,1987)。 今回,関東山地の鮎川流域の三波川変成岩類から,Mnに富んだ鉱物組み合わせをもつ珪質片岩を見いだした。 本論では,構成鉱物の化学組成を中心に記載を行った。
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