地球内部関連物質の分光学的研究

鍵裕之

摘要

地球惑星科学という非常に裾野が広い学問領域の中で，鉱物科学は基礎的な物質科学に立脚しながらさまざまな研究対象に対して新しい知の地平を切り開いていく学問であると私は考えている。これまで私ほ，地球深部がどのような物質で構成され，そしてどのような化学的な環境にあるのか，ということに強い関心を持って研究を進めてきた。私ほ学部から大学院に至るまで理学部化学科で教育を受け，分光学を専門とする研究室に所属して研究のイロハを学んだ。そのような環境で育った私は，天然ダイヤモンドやマントル捕獲岩と言った地球深部から地表にもたらされた天然試料を分光学的な手法を用いて観察する，という切り口から研究に着手することとなった。大学院生として研究をスタートして20年以上がたち，多くの共同研究者に恵まれ，新しい研究手法の開発なども進めながら，高圧下の振動スペクトル，X線回折，中性子回折などのその場観察を手段とした地球内部関連物質の研究にも現在は着手するに至っている。本稿では，受賞記念講演でお話しした話題を中心に，地球内部に関連した物質を主に分光学的な研究手段で観察した研究をいくつか紹介したい。

地球内部関連物質の分光学的研究

摘要

著录项

相关主题

期刊订阅