LTspiceやQucsのような無償／素子数無制限の回路シミュレータが登場し，個人でも気軽にSPICE （Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis）が利用できます．回路シミュレーションを始める上で欠かせないのが電子部品のモデル（SPICEモデル）です．表1にSPICEモデルの種類を示します．SPICEモデルは電子部品／半導体メーカ製のもの，回路シミュレータ付属のものなどがあり，パラメータや等価回路，数式を使って表現します．効率的にシミュレーションを実施するため，これらのSPICEモデルは，対象物の表現を必要最小限にして作成することが一般的です．そのため，必ずしもすべてのモデル利用者の検証目的·用途にマッチしているとは限りません．本連載では，電子部品のモデルの見極め方や作り方を，オンライン·セミナを交えて解説していきます．目標は，自分自身の検証目的·用途にマッチしているモデルを選定できるようになることです．今回は，SPICEモデルとMOSFETモデル·パラメータの基礎知識を解説します．第2回目以降は，実例を用いてMOSFETのSPICEモデルの作り方を解説していきます．
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