失敗知識活用を目指した組織活動の調査

中尾政之; Masayuki NAKAO

摘要

過去の失敗を学び，そこから抽出した失敗知識を将来に活かすために，失敗知識楕用を目指した酒動が，個人の間だけでなく，組織の中で進められている．しかし現状は，括動方法や活動達成度が，組織によって千差万別である．そして，これらの違いは組織の規模や業種に依存しそうだが，詳細はよくわからない．筆者らは，失敗知識活用に関する組織消動の現状把握のために，「失敗知識活用評価シート」を開発した．従来の評価シートとして，イギリスでは，イギリス保健安全執行部(Health and Safety Executive: HSE)が開発した安全文化改善マトリクス(Safety Culture Improvement Matrix: SCIM)（l）が知られており，これを用いて組織の安全文化達成度を定量評価できる．また，麗澤大学企業倫理センターでは，R－BECOOl（2）を用いて企業のコンプライアンスの定着度を定量評価している．いずれの方法も，当該内容の達成度や定着度を問うものだが，回答者は質問事項ごとに安全文化改善マトリクスでは7段階，R－BECOOlでは5段階レベルに分けて記述された選択肢から答えを選ぶ．質問内容は組織内の理念や目標，活動の成果を問うだけでなく，当該内容を達成するための仕組み（前者ではイネブラーと呼ぶ）を本当に構築したか否かを問うのが特徴である．

失敗知識活用を目指した組織活動の調査

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