マントルの変形特性はプレート運動,地震·火山活動と密接に関係しており,その理解は非常に重要である。これまでの実験岩石学的な研究では,岩石は1 つの鉱物より構成され,化学組成は均一,力学データや岩石組織は小さな歪み量で定常状態に達するなどと近似した系で変形特性を求めてきた。しかしそれらが大きな単純化であることは天然岩石を知っている人ならば自明なはずである。そこで筆者らは実験的手法を用いて,岩石変形における第2 相鉱物(Tasaka et al., 2013, 2017a, 2017b, 2020),化学組成(Tasaka et al., 2015),含水下の歪み量(Tasaka et al.,2016)の影響を研究してきた。これらのことが分かればより現実に近い条件でマントル流動を理解することができる。本稿は筆者らが行ったパターソン型ガス圧式試験機を使った高歪みねじり変形実験について紹介したい。
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