高低圧受電設備,分電盤,制御盤などの配電盤類を生産している配電盤製造業者が,工業会として本格的に活動を開始したのは比較的新しく,日本配電制御システム工業会(以下,「JSIA」という)を結成したのは昭和57(1982)年11月以後である。配電盤類の規格としてJIS C 8480「分電盤通則」が昭和42(1967)年6月に,JIS C 4620「キュービクル式高圧受電設備」が昭和43(1968)年12月に制定された。その後,JIS C 8328「住宅用分電盤」が昭和53(1978)年に制定された。現在,JSIAが原案作成を担当しているJIS規格は,JIS C 8480「キャビネット形分電盤」がある。生産しているすべての配電盤類について,JIS規格を制定することは困難である。しかし,個々の配電盤製造業者が配電盤類を生産するに当たり,基準となる規格があると安心?安全が確保できる。これに対処するため,JSIAでは配電盤製造業者が必要としている規格をJSIA規格として整備している。JSIA規格は,将来配電盤類の新しいJIS規格を制定するようになった場合,いつでも移行できるように配慮して制定している。また,規格制定の根拠となる技術課題を調査し,JSIA技術資料として整備している。この技術資料は,JSIA規格制定のための基礎資料となるものが多く,一般に配電盤製造業者が日常の生産活動に必要とする資料である。本稿では,電灯分電盤および動力制御盤に関するJSIA規格?技術資料について,どのような資料があるか紹介する。
展开▼