水さえあればどこでも発電「柏葉水電池」: アルミパッケージの活用により安全に発電

友添博介

摘要

読者は水電池をご存じだろうか？水電池，その名の通り水分を吸収することで発電し，通常の乾電池と同じような働きが得られる電池である。ここで紹介する柏葉水電池はこの水電池の一形態である。この柏葉水電池は「電気のないところに明かりを」との思いから三嶋電子において開発された。世界で電気がない人口は約10億人(参考?経済産業省資源エネルギー庁，世界の未電化人口地域別，2016年)。電気を使えないことはただ不便だということだけではなく，さまざまな問題が生じている。あかりとしては電気の代用として火によるあかりが用いられることが多く，その燃料は木材が大半である。そのため世界各地で森林伐採が盛んに行われ自然環境の破壊にもつながつている。また，当然二酸化炭素も大量に発生させる。これらの国はまだまだ経済兗展の途上にあり，貧困層を多く抱えている。電気がない生活を強いられている地域の子供たちは家庭の生活を支えるため働き，昼間充分な教育を受けることができず，夜勉強するにしても，あかりがなく勉強もままならない。外灯の灯り(あかり)で勉強する子どももいるといわれている。夜はあかりがなく勉強できない，充分な教育を受けられず貧困の連鎖から抜け出せない状況がみられる。せめて安全なあかりがあれば，夜も勉強ができ，貧困から抜け出すために必要となる知識を身に着ける可能性が高まる。また，あかりのない不安から少しでも開放できる，その一助になればとの思いが込められて開発された。

水さえあればどこでも発電「柏葉水電池」: アルミパッケージの活用により安全に発電

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