アルミ合金は軽量ゆえにピストンや主軸受等の自動車エンジン内しゅう動部材として使用されている.一方,相手材へのアルミの凝着,アルミ合金表面の変形や損傷のため,摩擦界面においてエンジン油中の摩擦調整剤であるモリブデンジチオカーバメイト(MoDTC)由来の潤滑膜(MoS_2)が形成し難い等,安定した低摩擦発現には課題のある材料と認識されている.この課題に対し,当研究室ではアルミ合金表面の酸化による凝着低減を期待し,レーザ照射を導入している.レーザが照射されたすベり軸受用アルミ合金(SA162)表面の走査電子顕微鏡(SEM, Scanning Electron Microscope)像を図1に示す.本研究ではエンジン油中での軸受鋼(SUJ2)とすべり軸受用アルミ合金の摩擦において,アルミ合金への最適なレーザ表面処理によりアルミの凝着抑制と添加剤由来の潤滑膜形成の両立が可能であることを明らかにしている.
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