三機工業ごみクレーンのAIによる運転支援システム

摘要

小規模なごみ焼却設備は，現地の運転員によって運転·監視されているケースが多い。しかしながら，少子化と地方部における若年層の流出によって，運転·監視を行う人員の確保が難しくなってきている。この影響は地方部の小規模なごみ焼却施設において顕著である。都巿部の大規模なごみ焼却施設では，焼却炉が大きいため焼却炉へ投入されるごみ状態変化の影響が小さく，自動運転と遠隔監視が実現している。これは，大規模なごみ焼却施設はごみを受け入れるピットも大きく，ごみクレーンはあらかじめ移動パターンを設定しておく自動運転によって運用可能であることが大きな要因として挙げられる。一方，小規模な施設ではごみピットが小さく，次のごみの搬入に備えるために，クレーンによってごみを十分に撹拌する前に焼却炉へ投入せざるを得ない場合があり，受け入れたごみの質によつて燃焼状態が大きく左右される。このため，燃焼状態への影響を最小限にするべく，受け入れたごみの量や種類などをクレーンオペレータが見極めて，経験に基づいてごみの移し替えや撹拌などの作業を適切に実行している。このようなごみクレーンの運転方法は，従来の自動運転技術では対応できないため，小規模なごみ焼却施設では自動運転化が難しい。このような背景から，小規模なごみ焼却施設において熟練したオペレータの確保·育成は必須となっており，技術の継承が課題となっている。

三機工業ごみクレーンのAIによる運転支援システム

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