ナノ粒子間界面の表面プラズモン制御と応力センシングへの展開

松井裕章

摘要

これまでに，表面プラズモンの外場制御が学術的に注視され，表面プラズモンの光制御，表面プラズモンの電気的制御および表面プラズモンの磁場制御などが報告され．本研究では，酸化物半導体（Sn添加In_2O_3:ITO）ナノ粒子薄膜の表面プラズモン励起に着目し，異分野である「表面プラズモン」と「メカニクス」を融合した学際研究を展開する．一般的にナノ粒子薄膜は，ナノ粒子をメタ原子，薄膜をメタ表面と定義したメタマテリアル（人工物質）として機能化される（図1）．特に，ナノ粒子間界面には局在した強い光電場増強が形成され，赤外域で強いプラズモン共鳴を起こす．それはナノ粒子間距離が粒子径サイズよりも小さい場合において顕著となる．さらに，3次元的にナノ粒子が積層制御された薄膜試料においては集団的（コヒーレント）な表面プラズモンが誘起され，ナノ粒子間界面における局所的な光電場が増大する．一方，ナノ粒子間界面は力学場が働く領域としても同様に注目され，ナノ粒子間の空間的制御（接合や接着効果など）が重要な役割を果たす．本稿では，In_2O_3:Sn（ITO）ナノ粒子薄膜の表面プラズモン制御に基づいた赤外域での高い反射性能について報告する．それはナノ粒子間界面での強い光電場増強に起因する．さらに，本研究では，赤外域の共鳴反射特性を試料表面で生じる力学的応答の光プローブとして応用し，機械的特性（応力や歪みなど）が計測可能なフレキシブルな応力光センシング技術の開拓を目指す．

ナノ粒子間界面の表面プラズモン制御と応力センシングへの展開

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