複雑地形向けロータを目指して

鎌田泰成

摘要

我が国は、国土の多くを山岳が占めている。山岳地は起伏に富んだ地形を有しており、複雑地形である。複雑地形上の風は地形に合わせて流れるが、急峻な起伏の変化は、流れの剥離を引き起こす。この流れの剥離は、地表面付近の風速低下、変動分の増加を引き起こす。よって、複雑地形上に設置される風車は、変動分の大きな風を受ける。また、気流の剥離は、風向にも変動を与える。風車は、風向に合わせて運転されるが、ヨー角はある時間の平均風向に合わせて修正されるので、風向変動の大きい場合、風車は斜め流入状態になることが多い。風車への斜め流入は、翼素の受ける迎角、相対風速の回転角に伴う変動を引き起こす。風車翼の翼素は、迎角の変動受け、時には翼面流れの剥離を引き起こす。翼面流れの剥離は失速角を超える迎角で発生するが、流れの再付着は、失速角を下回ると付着するのではない。一度剥離した流れは、十分に小さい迎角になった場合に再付着する。複雑地形で運転される風車では、このような流れの剥離現象が想像される。よって、風速変動下においても剥離しにくい翼を用いることで、エネルギ獲得を向上させられると考えた。

複雑地形向けロータを目指して

摘要

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