題名のないロケット講座50: ロケットのしくみ(その8)

髙松聖司

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題名のないロケット講座50: ロケットのしくみ(その8)

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A3ロケットで獲得を目指した技術は、大型化と低速から超音速に至る広い速度領域での空力の安定、そして大きくて重い姿勢制御コマに代わる新しい姿勢制御システムであった。ロケットエンジンはA2で実績のあった推進剤、つまり液体酸素を酸化剤に75エチルアルコールを燃料とする液体エンジンが採用された。小柄な大人の身長よりさらに小さかったA2に対して、A3の全長は6.74m。打上げ時重量も150kgから740kgと寸法も重さもおおむねA2の5倍になったため、3Bと命名されたA3のエンジンは1.5t近い推力を癸生するように大型化された。A2ロケットのエンジン、2Bの推力0.3tの5倍である。しかし推進剤を燃焼室に圧送するエネルギー源はA2と同じく圧縮窒素が使われた。A2に比べると飛躍的に大きくなったA3ではあったが、それでも充分な推力を発生させるのに必要な流量の推進剤を、単純なガス押し方式で送り出すことができる範囲にとどまっていたのである。

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来源
《航空情報》 |2021年第937期|60-61|共2页
作者
髙松聖司;
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