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重度の脂肪壊死症を認めた黒毛和種繁殖牛における病変部の脂肪代謝関連と サイトカイン関連の遺伝子発現と脖臓の病理所見

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摘要

症例は63力月齢の黒毛和種繁殖牛で,初診時(妊娠223日)の主な症状は,食欲不振で あり,軽度の怒責があった.尾を挙上して少量の泥状下痢便を頻回排泄し.排便は困難であった.直腸 検査で,肛門から約25 cm頭側に盤状の硬固な塊が触知され,直腸内腔が指一本の幅に狭窄していた. 臨床症状と直腸検査から.本症は脂肪壊死症と診断し,イソプロチオランを1力月間投与した.妊娠 283日目に陣痛があり,獣医師の介助により経膣分娩を行った.分娩後も食欲不振と排便困難は続いた が,授乳は順調であり.分娩約3力月後に離乳した.その後,本牛は予後不良と判断され廃用となった. 剖検では白黄色石鹼状の脂肪壊死塊(直径約はx長さ30 cm)が直腸を取り囲むように存在した.ま た腹腔内には円盤結腸腸間膜の2力所に脂肪壊死塊(直径約15x長さ約はcm)が認められた.眸臓は, 肉眼的に異常は認められず,組織学的には実質内に広範な脂肪浸潤が認められた.腹腔内の脂肪壊死病 変部と正常脂肪組織のmRNA遺伝子発現を比較すると,病変部ではPPAR-yおよびTNF-aが強く発 現しており.脂肪細胞の肥大化の抑制と炎症が起こっていることが推察された.

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