ライフサイクル·エンジニアリング専門委員会は，1999年に分科会として発足し，2001年より専門委員会として活動している．本専門委員会は，「サステナビリティの達成への追求が問われている現在，良質の製品を効率よく生産し，低価格で社会に供給するという従来の生産の概念は変更されるべきである．本来我々が必要としているのは，製品そのものではなく製品が担っている機能である．従って，生産とは，消費資源と廃棄物を最少化しながら，社会が必要とする機能を提供，維持，管理していくための活動と考えるべきである．このような立場での研究を率先して行っていくことで，実社会における生産パラダイムの変化を推進し，持続可能なものづくりに資するべきと考える．専門委員会は，多岐にわたるライフサイクル·エンジエアリングについて，この分野の研究教育活動を活性化させることを目的とする」として長年活動を行ってきた．ライフサイクル·エンジニアリングの研究分野は，国内では必ずしも大きなコミュニティになっておらず，本専門委員会が国内唯一の拠点になっているような状況であるが，国際的には活発に研究，実践されている．例えば，国際生産工学アカデミー（CIRP）が主催するCIRP Conference on Life Cycle Engineeringという国際会議が毎年開催され，今年は26回目を迎えた．ライフサイクル·エンジニアリングは，主としてサステナビリティの達成を目的として，製品の一生（ライフサイクル）を見える化·企画·設計·運用保守·管理するための技術体系である．関連するキーワードとしては，3R（リデュース，リユース，リサイクル），リマニュファクチヤリング，メンテナンス，アップグレード，エコデザイン，ライフサイクル設計，製品·サービスシステム，ビジネスモデル，サーキュラーエコノミー，ライフサイクルアセスメント（LCA）などが'挙げられる．
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