転がり軸受

正田義雄; Yoshio SHODA

摘要

機械の回転部分を案内する機械要素である転がり軸受は，その源流をさかのぼると，丸太を敷いて巨大石像を運搬した様子が描かれたメソポタミア文明時代のレリーフにまで行きつく．幾千年の時を経て形を変え進歩した転がり軸受は，20世紀初頭の自動車の大量生産と軌を一にして，近代的な精密転がり軸受として工業的に大量生産されるようになった．現在では，図1に示すような多様な機械装置に組み込まれ，回転部分の高性能化，高機能化，高効率化に貢献している．代表的な転がり軸受の形式を図2に示す．転がり軸受の機能の本質は，荷重を支えて滑らかに回転することにあるが，使用する機械装置類の高性能化，高機能化を実現するために，過酷化する使用条件のもとで，長寿命·高負荷容量化，低摩擦·低温度上昇化，低振動·低騒音化，あるいは高速回転化などの性能·機能の向上が絶えず図られている．これらの技術進歩を可能にしている源泉には，超精密加工技術に加えて，材料·熱処理技術，潤滑技術，解析技術といった基盤技術のたゆみない深化と高度化がある．ここでは，転がり軸受の性能向上を支える基盤技術について紹介する．

転がり軸受

摘要

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