本論文では,増幅器一体型アクティブ集積アンテナのFDTD解析を行う.増幅器に使用するGaAsFETはTriQuint’s Own Model(TOM)で表され,その状態方程式の計算結果は電圧源法によりFDTD法と融合される.8.5GHz帯低雑音増幅器においてデバイス電圧の印加方法を検討した結果,バイアス回路をすべてモデリングし,電圧を短絡ピンを介して印加することで,設定電圧に収束することがわかった.また,アクティブパッチアンテナの放射指向性について解析結果と実験値との比較を行い,パッチアンテナ近傍に配置されるドレーンバイアス線路に流れる電流の影響により,交差偏波レベルが増大することがわかった.最後に,アクティブスロットアンテナの放射指向性について検討し,放射部と回路部を基板表裏で分離することで交差偏波を抑制できることを確認した.本論文で提案した方法は,素子間の結合の影響,インピーダンス整合条件,放射指向性等を含め,アクティブ素子一体型アンテナ全体の設計を可能とする.
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