前縁の丸い,後退角450°のデルタ翼のロール運動時における流れの可視化と圧力分布測定を行い,前縁剥離渦がロール特性に与える影響を調べた.その結果,失速直後のピッチ角でのデルタ翼面上の流れ場は,ロールによる翼前縁の有効後退角の変化やその左右両翼の流れが相互に影響を及ぼし合うこと,さらに両翼の接合部である翼頂点形状の影響などにより,流れ場は複雑に変化することが分かった.場合によってこの変化は不連続的に発生し,これによって翼の空力特性にはcritical state と呼ばれる不連続点が生じることが確認できた.
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