マシニンダセンタによる微細·精密加工の取り組み

坂本竜司郎

摘要

マシニングセンタは，主軸に取り付けた工具を任意に交換し，材料をさまざまな形状に除去加工する工作機械である．その適用される範囲は幅広く，数十mの航空機構造部材を加工するものから，数mmオーダの大きさの金型を加工するものまでさまざまな領域で活用されている．その歴史は，フライス盤にさかのぼり，常に市場要求とともに性能，機能を強化し進化してきた．特に1980年代後半からは，工具の進化による切削速度の向上とともに，マシニングセンタの高速化が進み，加工能率が著しく向上した．1990年代には3次元CAD／CAM，高硬度材の直彫り加工が普及，主に携帯電話や家電製品を生産するためのプラスチック金型の精度を飛躍的に向上させ，良質で低価格な製品の製造に寄与した．近年，加工物の複雑化や加工素材の多様化にともないマシニングセンタへの要求が一層高度化し，より高性能な主軸や高度な制御装置，多軌複合加工機など加工用途に応じた性能をもつ専用機やそれに準ずる特化した性能を有するマシニングセンタが生産されている．以上のような背景から，微細精密加工領域を取り扱う生産現場において，安定して使用できる加工機として2009年から，微細精密マシニングセンタが活用されており，先進的なデバイスの幅広い普及にともない，今日に至るまでその活用の場を広げているのが現状である．本稿では，微細精密マシニングセンタの特徴について述べるとともに，最新の加工事例をもとにその性能を紹介する．

マシニンダセンタによる微細·精密加工の取り組み

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