光コムによる精密計測

美濃島薫

摘要

超短パルスレーザー発生法として広く知られるモード同期レーザーを，光周波数軸上の極めて等間隔な光周波数モード列，すなわち光周波数の精密な物差し「光コム」（光周波数コムともいう．図1）として用いる報告がなされたのは1999年であり，20世紀中に相次いで日米独の3カ国で実現された．それは，時間軸の超高速と周波数軸の超精密という，従来直交して進展してきた技術分野どうしが究極において融合するというドラマチックな出来事であり，その後の両者の技術に革命的な変革をもたらした．2005年には，ドイツとアメリカの研究者にノーベル物理学賞が授与されたが，それから早くも10年あまりがたった．しかし，光コムの意義は単に光周波数を測る精密な「物差し」にとどまらず，光波の位相レベルの精密制御「光シンセサイザ」を実現する基盤技術であり，科学技術の根幹に関わる技術革新であるといっても過言ではない．近年，光コムの応用は，当初想定された周波数計測·標準はもとより，分光，環境，センシング，イメージング，バイオ，天文，宇宙など，広範な分野に急速に広がっている．

光コムによる精密計測

摘要

著录项

相关主题

期刊订阅