人工関節－生体関節機能の長期代替化

村上輝夫; Kazuo TAKAKUDA

摘要

成人の骨格系は206個の骨より構成されており，可動性を有する股関節，膝関節，指関節などの滑膜関節は，球関節，顆（か）状関節．蝶番関節など種々の形態を有している．いずれも摩擦面が高含水軟質の関節軟骨で覆われ，関節液で潤滑されており，生涯にわたり低摩擦，低摩耗の状態を維持し，荷重支持と滑らかで安定した運動を可能としている．しかるに，変形性関節症や関節リウマチが進行すると，軟骨部の摩耗や破損が進行し運動機能低下と痺（とう）痛（ずきずきうずくような痛み）に悩まされる．このような症例に対して摩擦面を人工材料で置換する人工関節置換術が適用される．国内だけでも年間約十万例が実施され，運動機能回復や療病の除去という恩恵をもたらしている．人工関節置換の重要性は，たとえば歩行が可能となり寝たきりの生活から脱却し自立生活領域が拡大され，全身的代謝も改善され，心身両面での向上が得られる点である．臨床適用例の大部分は，人工股関節（図1），人工骨頭と人工膝関節（図2）であるが，足·肩·肘·手·指関節についても各種の人工関節が使用されている．人工関節の場合は，摩擦面と支持部が人工材料に置摸されるが，関節面形態や執帯などにより安定性を得ながら筋系により駆動される仙骨部への固定法にはセメントタイプとセメントレスタイプがある．

人工関節－生体関節機能の長期代替化

摘要

著录项

相关主题

期刊订阅