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持続可能な製造業の実現に向けた持続可能社会シナリオシミュレータの開発(第4報)-What-if分析による派生シナリオの作成手法

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摘要

シナリオを描く際には,将来のイメージを徐々に具体化するために,シナリオ作成に携わる参加者の間で問題提起,シナリオの記述の詳細化,記述の評価·改訂といったサイクルを繰り返す必要がある.このような行為を,ここでは「シナリオ設計」と呼ぶ.本報では,シナリオ設計を実行するときに既存のシナリオに基づいて様々な将来像の探索を可能とするために,既存のシナリオに対するwhat-if分析によって派生シナリオの作成を支援する手法を提案する.シナリオのwhat-if分析とは,既存シナリオの前提条件の一部を変化させることによって,そこに元々描かれていた将来がどのように変化するかを調べる技法である.本報で提案する手法では,What-if分析で変更する前提条件として,著者らが第1報で定式化したシナリオの「基底」を利用する.シナリオの基底は,シナリオの結論を導出するために使われる根拠のうち,その結論と因果関係を保持する始点の集合と定義している.それゆえ基底を変化させると,対応する結論も因果関係に基づき必然的に変化する.さらに,既存シナリオを用いた派生シナリオの記述を支援するために,シナリオの基本パターンを定義する.本論文の構成は以下のとおりである.第2章では持続可能社会に向けたシナリオ作成の既存研究について述べる.第3章では,既存シナリオのwhat-if分析に基づく派生シナリオの作成手法を提案する.第4章では,提案した手法をシステムとして実装する.第5章では,ハイブリッド車の普及シナリオに対してwhat-if 分析を適用した例題を示す.第6章では例題の結果から提案した手法の有効性を検証し,第7章で本論文の結論を述べる.

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