粥状動脈硬化症の病態の解析は,当初,疫学や病理学的研究から開始された.これらから導き出された結論として,粥状動脈硬化の進行には複数国子が関与するが,高脂血症に代表されるリポタンパク代謝異常がもっとも重要な要因であることはまず疑いない.1985年度ノーベル医学生理学賞を与えられたテキサス州立大学のBrownとGoldsteinは,1996年の"Heart Attacks :Gone with the Century? と題した総説の中で, LDL受容体の発見に代表されるリポタンパク代謝の分子機構の解明に加えて,強力な高コレステロ-ル血症治療の開発が,虚血性心疾患の擢患率を今後急速に減少させうる可能性を開いたと述べている.
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