今回報告されたThe ESPAC-1 Trialは,GITSGの試験では除外された切除断端陽性例が18%も入っている臨床試験であり,そのような例でも術後補助療法が有効な場合があるという結果であった.既存の報告では,218例の膵癌と乳頭部癌の術後化学放射線療法(化学療法の追加なし)施行群と無治療群を比較したThe European Organization for Treatment for Cancer(EORTC)の臨床試験の結果は,有意な生存期間の延長は認めなかった.61例の膵癌症例を対象としたNorwegian Studyは手術のみの群と補助療法としてFAM療法(5-FU+doxorubicin+mitomycin C)を加える群に無作為に割り付けして比較した.このstudyではMSTには有意差を認めたが,5年生存率には有意差がなかった.日本からのTakadaらの報告でも,補助療法としてのFAM療法の効果は認められなかった.
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