アインシュタインのブラウン運動の理論というのは,1905年Annalen der Physik(第17巻,549ページ以降)(1Jに掲載された「静止流体中に浮遊する粒子の熱運動の分子論について」である.ブラウン運動自体は,1827年イギリスの植物学者ブラウンが,花粉の中にある液体に浮遊する微粒子の運動を顕微鏡で観察したところ,不規則な運動を見いだしたことから,「ブラウン運動」と呼ばれるようになった.ブラウンが見たものは水中の花粉の運動である,との理解が流布しているが,もっと小さなミクロン程度の微粒子を見たのである.花粉の膜が透明で中まで見えたのであった.
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