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2.続創薬物語「ミカファンギン」

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摘要

ミカファンギン(商品名ファンガード)は,真菌細胞壁の主要構成成分である1,3-βーグルカンの生合成を非競合的に阻害し,深在性真菌症の主要起因菌であるカンジダ属およびアスペルギルス属に対して抗真菌活性を示す。ミカファンギンの創薬研究は,藤沢薬品工業(現アステラス製薬)の研究陣によって,福島県いわき市の土壌より分離された真菌Coleophoma empetri F-11899株の培養液中より発見された化合物FR901379から始まった。この化合物を出発物質として積極的に誘導体合成を展開し,最終的にカンジダ症,アスペルギルス症に対して優れた効果を発揮するミカファンギンが開発され,2002年,世界に先駆けて国内で販売が開始された。我々が研究を開始した1989年当時,深在性真菌症の治療薬としては,amphotericin-B,5-fluorocytosine(5-FC),アゾール系のmiconazole(MCZ),fluconazole(FLCZ), itraconazole(ITCZ)のわずか5薬剤のみが使用可能であった。このため,薬効面や副作用面から医療ニーズを満たせる新しい薬剤の出現が強く望まれていた。抗真菌剤の開発が難しい点は真菌と動物細胞が同じ真核細胞であり,選択毒性の期待される作用部位が限られる点にある。唯一,真菌細胞と動物細胞との大きな相違点は,細胞壁の有無にある。演者らは,細胞壁合成系が抗真菌剤のターゲットになると考え,天然物からスクリーニングを行い,echinocandin様リポペプチド系化合物であるFR901379物質群を単離した。これらは動物モデルで強い感染防御活性を示したが,同時に強い溶血活性を併せ持つことが判明’したため,溶血活性に関係していると推察されるアシル側鎖を変換することで,副作用を克服し,より薬効を強めたミカファンギンの創出に成功した。ミカファンギンは,国内発売後,小児への適応や造血幹細胞移植時の真菌発症予防の効能を追加取得し,2005年には米国,2006年には欧州で承認され,今や深在性真菌症における重要な標準治療薬として世界中で使用されていることは当時の関係者として嬉しく思う。今回のシンポジウムを通じて,創薬研究の面白さに共感し,薬剤耐性菌に立ち向かってくれる仲間が増え,創薬研究が活性化してくれることを切に願っている。

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