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2.バイオフィルムの基礎

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摘要

バイオフィルムと聞くと「細菌の塊」とか「ヌメヌメしている」等とイメージされる方々も多いと思います。ではなぜ,細菌は塊を作り,ヌメヌメしているのでしょうか。そんなこと考えたことないI方もいらっしゃるかもしれませんが,細菌が集団になって,細胞外マトリクス成分を産生することでヌメヌメさせていると答えられる方は多いと思われます。ただ,細菌は塊を作ると,内部に位置する細菌は栄養が少なく,飢餓状態になりやすいですし,外部に位置する細菌は環境ストレスに曝されやすい状態になつてしまいます。では,細菌は集団のどの位置に自分が存在しているかを把握し,集団で遺伝子発現をコントロールしているとしたらどうでしょうか。近年,細菌はバイオフィルム内で,細菌間コミュニケーションを行うことにより,遺伝子発現がコントロールされ,集団を形成している可能性が研究されてきています。つまり,興味深いことに,バイオフィルムをスイミーに例えると,細菌自身は,自分は目玉の役割をすべきなのか,背びれの役割をすべきなのかを,細菌間コミュニケーションにより把握し,その場所で生き延び易いように遺伝子制御している可能性があるのです。さらに,バイオフィルムは,臨床では単一細菌種より複数菌種で構成されていることが主と思われます。複数の構成細菌種によって,バイオフィルム内の局在性が変化し,外部ストレスの耐性能が変化することもわかってきています。抗菌薬を使用する際に,嫌気性菌などターゲットとしたい細菌が実はバイオフィルムの内部に局在しており,血流が乏しいためにバイオフィルム感染症の治療に難渋することも多いかもしれません。抗菌薬を投与することも必要ではあると思われますが,バイオフィルム感染症の治療=抗菌薬となってしまうと,ターゲットとする細菌にはあまり効果がなく,多剤耐性菌を生み出しやすくなります。では,どのようなことが必要なのでしょうか。バイオフィルム全体に抗菌薬が到達し易い環境を作ることも必要だと思います。ドレナージはこの一役を担ってくれます。ドレナージにより細菌数の減少や酸素化がはかれるだけでなく,バイオフィルムの内部に位置する嫌気性菌などの局在や,細菌間コミュニケーションを乱すことができます。ドレナージにより内外の細菌の局在が混ざることも,バイオフィルム集団制御の破壊につながる可能性が考えられます。現在,バイオフィルム感染症の治療薬は,抗菌薬の使用が中心ではありますが,抗菌薬は,血流が介在している部分に存在する全身の常在菌に平等に作用してしまいます。これが,多剤耐性菌の出現につながることは事実です。バイオフィルムの集団制御研究がさらにすすみ,集団制御に関与するシグナルを応用できるようになれば,効かせたい細菌を選択できるようになり,多剤耐性菌の出現減少につながるかもしれません。

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