熱電材料の性能は,ゼーペック係数S,導電率σ,熱伝導率kに依存し,性能指数Z=S~2σ/kで決まる.一般に,金属ではJは大きいがSが小さく,半導体ではSは大きいがσが小さく,Zは大きくならない.Zが大きいのは金属と半導体の中間的な物質である.また,打にはキャリアの寄与K_cとフォノンの寄与K_(ph)があるが,熟電材料に適した物質では,K_(ph)が大部分を占める.そこで,「Phonon Glass Electron Crystal(PGEC)」という熟電性能の向上指針が有効に働き,いくつかの材料が開発された.これは,フォノンに対してはガラスのように振る舞いK_(ph)が小さく,電子に対しては結晶のように振る舞いσが大きい物質である.
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