東北地方太平洋沖地震に伴って発生した津波により制御不能となった福島第一原発からは大量の放射性物質が環境に放出された.大気に放出された~(137)Csの量は13PBqと推定されており(Chino et al.,2011),このうちの7から8割が太平洋に降下したとされている(Tsumune et al.,2012;Yoshida and Kanda,2011).さらに,2011年3月26日から5月末までの期間に海洋に漏洩した137Csは3.5±0.7PBqであると推定されている (Tsumune et al.,2012).海洋に放出された放射性物質がどのように拡散·分布したのかを把握するため,海水および海底泥のサンプリングによって調査されている(Kusakabe et al.,2013).しかし,海でのサンプリングは時間とコストが掛かり,広範囲を調査するため,採取されているサンプルは数10km間隔となり,サンプリングのみでは放射性物質の詳細な分布を把握することができない.
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