低侵襲外科手術は,患者の体表にいくつか孔(ポート)を開け,それらのポートから細い筒を介して鉗子類を体内に入れ,別のポートから挿入した硬性内視鏡(以下内視鏡)の映像をモニタで観察しながら体内で剥離や縫合などの手技を行うものである。体内の空間を確保するため,二酸化炭素で気腹して実施される。開腹手術より傷口が小さいことから,患者の痛みの低減,入院期間の短縮や傷跡の縮小など患者のQOL (Quality of Life)が高い。日本内視鏡外科学会の調査では,1997年では4万件弱であった症例数が,2015年にはアンケート回答率50%弱において約21万件となっており,毎年右肩上がりで伸びている。特に腹部外科領域と産婦人科領域の手術件数が多い。
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