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がん免疫療法の現状と今後の潮流

机译：癌症免疫疗法的现状和今后的潮流

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1950年代にBurnetは,生体内では細胞に遺伝子変異が恒常的に起こり,常に遺伝子異常を持つ細胞が発生しているが,これらのがんの前駆細胞は免疫系により発見され拒絶されているという「がん免疫監視機構」を発表した.しかし,がん細胞は自己に由来するため,がん細胞に対する免疫応答の存在には批判的な意見が多かった.1990年代になると,ヒトT細胞に認識されるがん抗原の存在が証明され,ヒトがん免疫応答のしくみが明らかとなった.Schreiberらは,がん免疫応答によってがん細胞自体が変化し,免疫逃避形質を獲得していく現象を「cancer immunoediting,がん免疫編集」と呼んだ.2000年代までは,主にがん免疫応答を正に制御する戦略で免疫療法は研究されたが,Allisonらによって獲得免疫系における「免疫チェックポイント」を阻害する免疫療法が提唱され,がん免疫療法は新 たなステージに突入した.免疫チェックポイントは,自己免疫反応や慢性炎症などの有害な免疫応答を制御するブレーキ機構であるが（図1）,これを解除することによってがん免疫応答を回復させるという逆転の発想であった.

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