東京医科大学病院聴覚?人工内耳センター(以下、当センター)では、難聴を中心とした患者の聴こえと言葉のケアを行ってきたが、新生児聴覚スタリーニング検査(以下NHS) の普及により、最近では新生児期の受診者が多くなつている。そこで、一昨年から聴覚障害 児の早期聴覚補償プログラムTEHSP (Tokyo Medical University Early Hearing Support Program) を作成し、先天性難聴児の包括的医療を目指して、難聴児の早期診断、早期補聴と 療育を行っている。具体的には、早期難聴児の発見(耳鼻咽喉科言語聴覚士による院内出産 児のNHSの開始)、早期診断システムの構築、早期補聴体制、定期的早期療育のための研 修(AVTワークショップ)などである。しかし実際には、難聴の診断一つをとつても容易 ではなく、その対応に苦慮することも多い。今回我々は、難聴の精査のために乳児期に当 センターを受診した児童を対象に、特に正常聴力と思われる児への診断確定までの対応と難 聴の可能性がある乳幼児への対応の現状ついて検討したので報告する。
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