本論文では,ノイマン境界制御と境界観測を伴う1次元拡散系の,動的な有限次元コントローラによる安定化問題を取り上げる.そのシステムはFujiiやCurtainの中で扱われていたシステムと同様であるが,システムの定式化は彼らのものとは異なる.主要結果として,その1次元拡散系が第2節の(9)に示すように,A~γに従属する非有界性を有する出力作用素をもつシステムとして定式化できることを示す.すなわち,Nambuの定式化の1次元版を与える.さらに,その有限次元モデルが可制御かつ可観測であることを証明する.その結果,Sano and Kunimatsuの結果を用いて,有限次元安定化コントローラが構成できることを示す.最後に,数値実験を通して有効性を検証する.
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