水素は古くから究極のクリーンエネルギーといわれて きたが，地球環境·エネルギー問題が切迫する今日，エ ネルギー社会に大きな変革をもたらす鍵として期待され ている.水素はこれまでも，化学プラント，半導体·エ レクトロニクス産業，鉄鋼業，原子炉などで広く使用されてきた.エネルギーとしても，数十年前の都市ガス には水素が含まれ，ロケット燃料として使われているこ とは周知の通りである.いま，われわれの生活を支える エネルギー媒体として，本格的に水素を利用する社会が 始まろうとしている水素はさまざまな原料から製造 でき，電気-水素の相互変換効率が高いなど，多くのメ リットを有するため，大量貯蔵に不得手な電気を補う可 搬エネルギー媒体として，さまざまな場面で利用することができる.定置用燃料電池，燃料電池自動車（FCV: Fuel Cell Vehicle)の市場導入を皮切りに，大量のエネ ルギーの貯蔵と輸送，発電などで水素を用いるための技 術開発が精力的に進められている.%This review paper describes friction, wear and lubrication of various materials for use in tribo-elements in hydrogen gas infrastructure for fuel cell vehicles. Tribological behaviors of a range of materials including metals, polymers, coatings and ceramics in hydrogen, and the underlying processes occurring at tribo-interfaces are shown. Important points include significant effects of a small amount of oxygen and water in hydrogen on tribo-chemical processes, transfer film formation of polymers and carbon materials, effects of hydrogen with carbon materials, and effects of high pressure at tribo-interfaces.
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