国際連合が定めた国際年には森林に関連した年がいくつかあるが，その一つに国際山岳年(International Year of Mountains)があった。本誌の読者に2011年が国際森林年 (International Year of Forests)であることを知らない人はいないだろうが，2002年国際 山岳年については，9年もの年が経っていることから，すでに記憶に残っていない読者も かなりいるのではないかと思われる。さらに，2012年は国際山岳年プラス10 (プラス、テン）の1年として位置づけられているが，国際山岳年に深く関わってきた人以外には， 国際山岳年プラス10の存在を知らない人が多いであろう。国際山岳年プラス10の1年は， 国際山岳年からの10年間にどれだけの問題が解決し，さらに2012年以降にどのような課 題に取り組んでいく必要があるのかを，世界中で議論し，実際に行動しょうという年であ る。すなわち，国際山岳年フラス10の2012年は，2002年国際山岳年時点で私たちに課 せられた「山の宿題」をこの10年間でどれだけ済ませることができたのかを見届ける1 年である（渡辺，2004a)。
展开▼
